医局活動

2019/01/04

宮下診療教授 着任ご挨拶




2019年1月1日付で内科学第一講座呼吸器感染症・アレルギー科担当診療教授を拝命いたしました。
何卒よろしくお願い申し上げます。
大学卒業後は呼吸器内科医として、呼吸器疾患全般の診療に従事してきました。
現在は、2つの大きな柱で臨床研究を行っています。

1つは「感染症」に関する臨床研究です。
感染症は全ての科において経験する科横断的な疾患で、様々な慢性疾患への関与が明らかとされています。
例えば胃・十二指腸潰瘍とヘリコバクター・ピロリ、子宮頚癌とヒトパピローマウイルス、後天性免疫不全症候群とHIVなど、全く想像もしなかったことです。
したがって近い将来、癌や変性疾患、心筋梗塞なども未知/既知の微生物と関与するとの発見があるかもしれません。

『Systemic Diseaseは、実は外敵(微生物)が体内に侵入し、持続感染の成立に伴う長期のstimulationや、antigenic mimicryによるautoimmune responseの結果引き起こされてくるのではないか?』。
これは、私が医師の道を歩み始めてからの相も変わらぬ考え方の1つです。
「出る杭は打たれる」。
重要な事は、感染しても前面に出ない事、すなわち症状を出さないことです。
多くの微生物は感染により発熱などの全身症状や疼痛などの局所症状を引き起こすため、すぐに発見され叩かれます。
感染しても自分の身を守る微生物は持続感染を起こし、慢性疾患を引き起こす可能性があります。
今後もリサーチを牛歩ながら続け、真実を明らかに出来れば幸せです。

2つ目は「咳嗽」に関する研究です。
咳嗽は呼吸器疾患の主症状で、患者が医療機関を受診する動機として頻度の高い症状のひとつです。
しかし医療機関を受診したにも関わらず咳嗽が遷延し専門外来を受診する患者も多く、ドクターショッピングをする代表的な症候です。
原因が多岐にわたるため、治療薬選択に直結する簡易鑑別法を作成することを目標としています。

今後はこれまで以上に診療、研究、教育に努力精進していきたいと思いますので、関係各位におかれましては、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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