研究


アテローム血栓症の病態は、アテローム性の動脈硬化が主体であり、血小板が重要な役割を果たしている。この動脈硬化のメカニズムに、マイクロパーティクル(MP)が関与している。MPとは血管内皮や血小板、単球/マクロファージから産生される微小な膜小胞体であり、血栓形成におけるMPの機能の主体はプロテインCや凝固因子に作動し凝固反応を促進することにあるが、最近の研究成果では糖尿病、急性心筋梗塞、脳血栓、溶血性尿毒症症候群、抗リン脂質抗体症候群で増加し、その機能は非常に多岐に亘っていることが判明している。したがって現在MPは、血栓症や血管病変の新しいマーカーとなると同時に、新たな抗血栓症薬のターゲットとしても大いに期待されており、我々の研究室においてもMPを研究テーマとしている。さらに、敗血症など、SIRS(全身性炎症反応症候群: Systemic Inflammatory Response Syndrome)においてもMPは増加し、全身に散布されて重篤な炎症応答やサイトカインストームの促進作用を持つことが示されている。しかしながら、その作用機序の詳細は不明である。この点に関しても我々の研究室では、MPの炎症促進作用に注目し、上記のDCの側面から研究を行っている。今後その成果は、MPによって誘導される炎症応答ならびに組織障害を制御する治療戦略が構築でき、新たな抗炎症治療戦略の開発に繋がると期待される。